宮沢賢治のこと。
私の通っていた大学は、地方にある国立大学。
総合大学なので、1~2年生のときは、教養課程ってのがあって、理系の私も文系の選択科目を受けていた。
いろいろ面白い先生がいて、何人かはかなり強烈な印象とその後の私の人生にも少なからず影響を与えていると今でも思っているけど、YMOの曲を聴いていて、思い出したのがこの方。
宮沢賢治がテーマ。教科書は、ちくま書房の宮沢賢治の作品集だったけど、やはりメインは「銀河鉄道の夜」。
冒頭の部分は、賢治の原稿の写しを紹介しながらの講義で、もともとおそらく賢治が大好き、銀河鉄道の夜はとりわけ・・・という学生も多く集まっていたと思うけど、原稿の賢治の文字とかぐりぐりっと書きなおした跡とか見てしまうと、どんどん深く深く物語に引き込まれ、さらに一字一字を細かく大事に読み解いていくと、一人で読んでいた時には気付かないことがたくさん出てきて、とにかく、講義はいつまでも聴いていたいほど楽しくて、大学に入って本当によかったと思えた。
思いっきり文系の先生は、理系の生徒が読む賢治の感想文をひたすら楽しんでいるように見えた。講義はいわば先生の興味の行きつくところで、賢治の発想というか感性は非常に理系チックだと言っていたような気がする。
20年以上も経過してしまったけど、なぜ急に思い出したかというと、先生が講義中に「従兄弟が音楽関係の仕事をしていまして」と言っていたこと。
その従兄弟こそ、高橋幸宏
今となっては、本当に講義でそう言っていたかどうかは記憶が確かではないけど、ふと思い出してぐぐってみたらやはりそうだったので、本当だったみたい。
大学時代に一時間だけ戻れるとしたら、私はあの講義をまたききたい。
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